詩人・谷川俊太郎が、父であり哲学者・谷川徹三と母・長田多喜子の間に若き日に交わされた恋文をまとめた書。大正時代、知的階級の青年たちの恋。手紙しか手段のなかった中での筆まめな二人の想い。文体や内容も時代を感じさせながらも、若い恋人たちの溢れ出る情感が美しく感じられます。「父母の恋文」ではなく「母の恋文」としたかったという編者・俊太郎の思いにも共感してしまう。実子が編んだ特異な書簡文学。新潮文庫版となります。
*カバー上部に一部小さな破れあり。それ以外は標準的な状態です。
編:谷川俊太郎
発行:新潮社(新潮文庫)
発行年:2002年初版
110mm x 150mm
381P