「筆生バートルビーが属しているのは、前述した哲学的星座である。書くことをやめた筆生である彼は、あらゆる創造が生じるもととなる無をかたどる極端な形象であり、また、純粋かつ絶対的な潜勢力であるこの無を最も苛烈に要求するものである。」
「しないほうがいいのですが…」と雇用主から何を言いつけられても何もしなくなった法律事務所の書記バートルビー。働かないのになぜか事務所に居座り続ける奇妙な男の存在は多くの人を魅了してきました。メルヴィルの小説に生まれたこの不条理な主人公をめぐって、アガンベンが考察した本書。訳者による刊行当時最新の「バートルビー」全訳および論考「バートルビーの謎」掲載。
*特に目立つ難はなく、古書として標準的な状態です。
著者:ジョルジョ・アガンベン
訳:高桑和巳
発行:月曜社
2005年初版
130mm x 188mm / 206P