若手社員の大伍くんと恭子さんは仕事に恋に大忙し。さて二人の運命の行方は…? まことにのんきな昭和のヤングサラリーマン小説の決定版ともいえる本書。いやなことは何にもおこらない、ある種楽園のような空気が読むもののこころを包みます。昭和の風俗もふんだんに登場し、その意味でも興味を様々にかきたてる一作。初版は昭和30年。戦後10年経ち平和になった昭和ど真ん中のユートピア。源氏作品を多く手がけた鈴木信太郎による粋な装丁も魅力。
*やはり古い文庫ですので、経年によるくたびれ・変色等は随所にみられます。本文のなかほど、輪ゴムがくっついていたアトが2ページ見開きに渡ってみられます。それ以外はおおむね古書として標準的な状態です。
著者:源氏鶏太
発行:春陽文庫
1982年86刷(初版:1955年)
110mm × 150mm / 240p
ソフトカバー