雪の女王にさらわれたカイを取り戻すため厳しい旅に出るゲルダ。アンデルセンの名作を気品ある文章と洗練された挿絵で描いたフレーベル館の「世界名作えほんライブラリー」の一冊です。愛するカイを奪い返すゲルダの旅路と美しい銀世界。森村玲による切り絵のような鋭いタッチは雪の女王の冷たさを表しながらも、反面、ゲルダの愛情を描く素朴なあたたかさも備えています。「純粋な子どもであることが最大の武器だ」と励まされカイの元に走るゲルダ。旅を終えた二人はすでに子どもではなかった、という終幕の普遍的な美と言葉に心が動かされます。
*特に目立つ難はなく、古書として標準的な状態です。
文:やなぎやけいこ
絵:森村玲
発行:フレーベル館(世界名作えほんライブラリー)
1995年初版
232mm x 235mm / 28P