名もなき市井の人々、男と女、そして子どもたち。夭折の作家・フィリップによる、ささやかさと厳しさ、そして一条の光が差してくるかのような味わい深き短編集。「アリス」「子供の悲しみ」「自殺志願者」「バターのなかの猫」など、人生の悲哀とおもしろみをたたえた名篇が32作おさめられています。独特のリアリズムと、その中に息づく寓話のような不思議な趣。それらが一体となり、山田稔による名訳もともなって、独自の文章世界を紡いでいます。福武文庫海外文学の中でも珠玉の一冊。
*経年によるくたびれはありますが、おおむね古書として標準的な状態です。こちらは再入荷品のため、画像にあるような折れ線はございません。
著者:シャルル=ルイ・フィリップ
訳:山田稔
表紙写真:瀬尾明男
装丁:菊地信義
発行:福音館書店
1990年初版
110mm x 150mm / 254P