とらきちはゆめをみます、ぐうぐうぐう…。一頭の虎がみている夢、という設定で奇妙な夢幻をみせてくれるこの作品。登場するとらきちの夢のなかは様々なトランスフォームや歪み、飛躍に満ちています。そのどれもが美しく緻密な線で描かれ、見るものをいつしか広大で深遠な夢の世界に連れてゆく。シュールななかに可愛らしさを忘れないタイガー立石の物語世界が素晴らしい。この本は作者の頭のなかそのものなのだろうと思わされてしまいます。大人も子どもも夢中。特に目立つ難はなく、古書として比較的よい状態です。
著者:タイガー立石
出版社:福音館書店
発行年:2000年2刷(こどものとも傑作選として)
195mm x 268mmm / 32ページ
ハードカバー