お母さんが赤ちゃんを産むため、おばあちゃんの家にひとり預けられたこうた。退屈な田舎暮らしのなか、ある日古びたおもちゃのトラックを見つけます…。そのトラックに乗っていた少年との不思議な出来事。戦争、少年、平和、歴史。様々なテーマがこの優しい一冊に込められ、悲壮な現実を扱いながらも叙情にあふれたあまんきみこならではの作。遠い日をなぞる奇妙な体験、という子どもの胸をときめかし深い思考にいざなうフィクションの世界が独特の余韻を残す名作です。
*経年によるくたびれはありますが、特に目立つ難もなく、古い児童書としては標準的な状態です。
著者:あまんきみこ
絵:安井 淡
発行:講談社(講談社の創作童話9)
1971年初版
205mm × 236mm / 70p
ハードカバー