汽車に乗らないといけない祖父母の家。まだ文字も読めないホンジークは、たった一人でそこに遊びに行くことに…。幼い子どもの大冒険。ちょっと心配だけど怖いことはなにもありません。牧歌的な人々、天使のようなホンジークのささやかなスリルがとても可愛らしい。なによりも『りんごのき』などで知られるズマトリーコバーの東欧的な挿絵の素晴らしさ。太い線の中のミニマルでシンプルなデザイン、細部に凝らされた図案のようなページの装飾。これらを眺めるだけでも価値ある一冊だと思います。
*ダストジャケットに薄い折れアトあり。それ以外は目立つ難はなく、古書として標準的な状態です。
文:ボフミル・ジーハ
絵:ヘレナ・ズマトリーコバー
訳:井出弘子・いぬいとみこ
出版社:童心社
発行年:1977年 第6版 / 152ページ
190mmx240mm