猫といっしょに暮らしているちいさなおばあさん。冬のある日、そんな一人と一匹にあるお客がやってきて…。おばあさんの静かで質素な暮らし、それに寄り添う猫の情景が微笑ましい。自分のことは自分で。家のことも料理も楽しみを見つけることも。そして、一人で暮らしていながらもおばあさんは一人じゃない。そんな、絵本の中の ”独り居” を愛らしく描いた名編。さらに「14匹シリーズ」でも知られる、いわむらかずおによるあたたかな挿絵が素晴らしい。家の内部、猫の表情、特有の魅力に満ちたそのタッチだけでも見る価値は十分です。店主が個人的にも好きな「訪問者もの」の名作のひとつだと思っています。
*初出は70年代の雑誌えほん「おはなしチャイルド」。本書は「リクエストシリーズ」として後年再版されたものとなります。
*状態は経年並みにところどころイタミが見られます。特に、本書中央部分、数ページにわたってホチキス留めの箇所がセロテープで補修されたところがあります。それほど見苦しくはない状態かと思いますが、事前に諸々ご理解頂けますと幸いです。
著者:神沢利子
挿絵:いわむらかずお
発行:チャイルド社
1999年 第2版1刷
186mm × 210mm / 30p
中綴じ、ホチキス留め