茂田井武の画帳「ton paris」をもとに編まれた作品集。1930年22歳の青年が一人パリに降り立つ。そこから生まれた数々のスケッチや作品。「サルンに日本の人々集る」「鼠ホテルのアラヂンのランプ」「彼等は修ゼンするのかそれともこわすのか」…おさめられた90枚以上に及ぶ淡い世界に浮かび上がる戦前のパリ、画家が見た風景。美しさと懐かしさ、時には苦しさも包み込んで今も多くの人の心をとらえます。愛らしい童画とはまた一味異なるモダーンさ。店主など、ただただそのにじむような儚さ、洒脱な美にため息。後に講談社から別版が出されますが、こちらは90年代のトレヴィル版となります。
*ダストジャケット背の下部に、おそらくどこかの収蔵ラベルを剥がした跡と思われる透明テープが貼られています。それ以外はダストジャケットに多少の擦り切れはありますが概ね古書として標準的な状態です。
*何も描かれていないページにも黄ばみが見られますが、こちらは画帳を基とした印刷となります。
著者:茂田井武
発行:トレヴィル
発売:リブロポート
1994年初版
182mm x 264mm / 186P