「インドのたびは はなのようにうつくしい たのしいかおりを わたしのこころに いっぱいすいこませてくれました」
平山郁夫の妻であり版画家である著者が、1970年に旅したインドの風景と見聞きした話を、まさに吸い込んだ息を吐くように形にした、インドの絵本。ガンジス川、デカン高原、民話に昔話。鮮やかながらも少し翳りのある色彩、大胆で素朴な構図、柔和な線とひらがなが主体の優しい文章。それらがあいまって、独特の香気に満ちた一冊となっています。「よくみる・ よくきく・よくする えほん」と銘打った、婦人之友社の絵本シリーズから。製本やたたずまいからもどことなく無骨さと潔さが感じられる絵本です。正方形の判型も愛らしく、なによりタイトルがいいですよね。
*硬い表紙のためほんの少し反りがみられますが、内容をお楽しみいただく分には問題ありません。本文も含め、古書として標準的な状態です。
著者:平山美知子
発行:婦人之友社
1971年初版
214mm x 214mm / 226p
ハードカバー