いくじなしをからかわれ、鬼界を飛び出してきたいっぴきの小鬼。人間界で悪さをして名を挙げようと思うけれど…。鬼をモチーフとした絵本は数あれど、こんなにシックな作品はなかなかないのでは。鬼なのにハットに燕尾服、くすんだピンクとブルーを基調とした色彩など、寂しい鬼の風貌をとらえた司修の筆がとにかく素晴らしい。ささやかなハッピーエンドも余韻を残す不思議な魅力の絵本です。「偕成社の創作えほんシリーズ」の12。
*古い絵本ですが、全体的に目立つ難もなく古書として標準的な状態です。
著者:長崎源之助
絵:司 修
出版社:偕成社
発行年:1972年初版
210mm x 255mm / 32P