「九州をもっとよく観、もっとよく知り、火の国九州を愛してほしいという祈りに似た気持ちに支えられて本書は成った」
福岡に生まれ福岡に住む作家・原田種夫による九州案内。東西南北のエリアにわけ、観光地的な見地以外からも様々な角度で愛する九州を紹介した内容は、コンパクトでありながら文章の読み応えという点でも充実しています。写真の数は多いもののモノクロで鮮明ではない一方で、文章の持つ力でそれを補う昭和の旅本の魅力。今は様変わりしている部分も多いでしょうが、昭和30年代当時の日本を思いながらひもとくのも楽しみ方のひとつかと思います。
*特に大きい難はありませんが、ページが開きやすい箇所などがあり、そのほか経年相応のくたびれはやはり見られます。古い文庫であることをご了解の上ご注文ください。
文:原田種夫
発行:社会思想研究会出版部(現代教養文庫326)
1961年4刷
110mm x 150mm / 306P