「笛ふきはまた まちへあらわれ すらりとのびた その笛のさき ふたたびそっと くちびるにあて ひとふしふいた そのとたん」…
中世ドイツの「ハメルンの笛吹き」伝説をブラウニングの詩にのせ、矢川澄子が翻訳を担当した美麗な一冊。グリーナウェイの緻密さとおおらかさが同居するような挿絵が、中世ドイツという舞台の上で鮮やかに花開きます。グリーナウェイらしい子どもたちのコスチュームもやはりみどころ。初版は1976年。文化出版局が長く保持していた本書ですが、現在は品切の状態。デザインやタイトルの描き文字など随所にこの版元らしさが漂い、眺めているだけでも心踊る一冊です。
*小口やページの上部など、経年による細部の小さなシミなどはありますが、おおむね古書として標準的な状態です。DJあり。
詩:R.ブラウニング
絵:ケイト・グリーナウェイ
訳:矢川澄子
発行:文化出版局
2005年 17刷
224mm x 258mm / 48P