アメリカの詩人、作家、そしてレイモンド・カーヴァーの妻としても知られるテス・ギャラガーの第一短篇集。家族、結婚、女、男、そして自然。様々な要素を大切に包み込みながらゆるやかな流れのように進んでゆくテスの世界は、あくまで優しく暖かく、そして上質のユーモアでくるまれています。みずからのルーツやカーヴァーとの生活もエピソードのなかに巧みに混ぜながら、独自の視線を貫く美しく潔い短篇集。その自然の描写の豊かさゆえか、深い森のような包容力、暖かな雨が降る日のような懐かしさ、そんな香りが漂うような一冊でもあります。山本容子の装丁もしっくりと馴染んでいるのが流石。
*特に目立つ難はなく、おおむね古書として標準的な状態です。
*帯付き(写真には写っておりません)
著者:テス・ギャラガー
訳:黒田絵美子
装丁:山本容子
発行:中央公論社
1990年11月20日初版発行
140mm x 196mm / 253p