生物としての静物

「タバコをはじめたのは十五歳のときからである。酒もその頃からである。」

誰しも人生の場面場面でそばにいてくれた「モノ」があるはず。その「物言わぬ小さな同行者」たちへの思いを開高健が語り下ろした名随筆集。タバコ、酒、帽子、ジーンズ、万年筆…。この人にしか書けない粒ぞろいの文章。そして滝野晴夫による一点一点の細密な絵が文と一体となって素晴らしい。近年再刊されたものは挿画は一部を残して大幅に省かれており、この文と絵の絶妙なマッチが楽しめるのはやはりこの旧版となるかと思います。洒落てるよなあ……と思わず声が出てしまう一冊。

*経年相応のくたびれはありますが、古書として標準的な状態です。


著者:開高健
絵:滝野晴夫
発行:集英社
発行年:1984年初版
155mm x 215mm/213P
帯付き、ハードカバー



販売価格 1,500円(内税)
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