むかしむかし、舞台は雪深い秋田の国、横手の町。その頃の子どもたちの楽しみは雪を使ってこしらえる「かまくら」です。今年もトヨと権太郎がかまくらで過ごしていると…。『モチモチの木』の斎藤隆介によるみちのくのファンタジー。仲間に加わる寂しがりな侍の子、突然やってくる赤鬼など、少ない登場人物だけで作られた世界が雪に閉ざされたなかで展開される様がいい。人物それぞれの背景も込めながら、斎藤隆介ならではの世界観も味わえる独特の味わいを持つ作。雪と子どもと鬼と。不思議な魅力に満ちた雪のおはなしです。
*経年によるくたびれはみられますが、おおむね古書として標準的な状態です。なお、前後の見返しに元の持ち主の名がマジックで記されています(表見返しには大きめに書かれています)。その点、ご了承くださいませ。
文:斎藤隆介
挿絵:赤坂三好
発行:講談社
発行年:1984年5刷
250mm x 263mm/32P
ハードカバー