ある冬の日、三人きょうだいが外に行き、冬ならではの景色を楽しみながら遊びます。すると末っ子が木の枝に何かがひっかかっているのを見つけ…。冬のイギリスの田舎の風景、その寂しさのなかに灯るちいさな明かりのような出会い。誰かがなくしたくまのぬいぐるみというモチーフと荒涼とした景色の対比の美しさが胸に残る佳品です。枯木立の描き方、子どもたちのたたずまいなど、シンプルながら気品ある挿絵も魅力的。表紙絵と見返しの雰囲気も。末っ子の目線で描かれた優しい冬の物語です。
*経年によるくたびれはみられますが、おおむね古書として標準的な状態です。
文:R.クラフト
挿絵:E.ブレッグバッド
訳:やまだしゅうじ
発行:アリス館
発行年:1992年初版
208mm x 208mm/26P
ハードカバー