昭和二十年代から三十年代はじめにかけて、作家・舟崎克彦が自身の少年時代を周囲の動物たちとの思い出とともに語った随筆集。ヒキガエル、コウモリ、犬、そして様々な鳥類。母を早くに亡くした少年の眼に映る生き物たちとの命の交歓。哀しみも残酷さも美しさも一瞬の季節にこめて。どの章をひらいても独特の詩情があふれます。切なくもつよい、ただ一人だけのちいさな博物誌。
本書は偕成社発行の「偕成社文庫版」となります。以下は店主の個人的意見ですが...角川文庫も素敵ですがこちらの造本も味わいがあり、特に著者の描く表紙の子どもの表情などにみる独特の憂愁に惹かれます。ぜひご覧ください。
*経年によるページの変色や、本文扉部分と最終ページ付近に細かなシミがみられます。4枚目の画像をご参照ください。それ以外にも経年並みのくたびれはありますが、本文を楽しむ点では問題ございません。透明フィルムでカバーリングをしてお届けします。
著者:舟崎克彦
装画・イラストレーション:著者
解説:矢川澄子
発行:角川書店
1985年改装版 3刷
128mm x 182mm / 222p
ソフトカバー