猫を被写体とする写真家としても知られる西川治、その中でも特に詩情あふれ随一の美しい物語を見せる本書。ズッケロとカピートという猫のカップルをイタリアの古い屋敷を舞台に撮り下ろた優雅な情景の数々。メランコリックな視線を伴うカメラ、自然光の優しさ。猫という生き物の尊さにあらためて思い至る、そんな大げさでなくとも、この稀有な猫写真本は歴史に残るのではないかと店主は思うのです。人のいない世界、猫だけの楽園。真四角に近い判型もどこか時代を写して得難い魅力が。
*経年による若干のくたびれは見受けられますが、全体的にしっかりとしており特に目立つ難はありません。
著者:西川治
発行:草思社
1978年初版
180 × 190mm / 110P
ハードカバー
帯付き