訳者あとがきには「偉大ではないが忘れがたい印象を残す作家」とあるアメリカ人作家アンダスン。その短編集。その無骨さと繊細さが同居するかのような各作品の味わい。「卵」「兄弟たち」「女になった男」など、アメリカのどこかの街で繰り広げられるささやかな人間模様。時に辛辣に時に優しい不思議な物語。アンダスンの短編は現在一般流通している書籍ではあまり見られないため、今では貴重と思われる新潮文庫海外短編シリーズの一冊です。「ワインズバーグ・オハイオ」を読んだ後にも。
*本文に一部うすく縦の筋がみられる箇所があります。それ以外は特に目立つ難はなく古書として標準的な状態です。
著者:アンダスン
訳:橋本福夫
発行:新潮社(新潮文庫)
1988年16刷
105mm x 150mm / 264P