京都在住、銅版画家の山下陽子さんの作る美しく独特の世界を持った作品の数々。かねてからそれらを目にし、いつか薄くて小さな紙のものを作って欲しいと願っていたのですが、このたびその想いが形となりました。
制作されたのは、当店オリジナルの「Ex Libris=蔵書票」。描かれたのは本と鳥。鳥は幸せを呼ぶという黄鶺鴒(キセキレイ)が選ばれ、くちばしで店名を表す華奢なアルファベットをくわえています。本も鳥も当店店主が愛するモチーフであり、理想的なサイズの紙に刷られたそれらの姿は繊細でどこか儚げです。
制作方法は銅版画の中でも「コラージュ・フォトプレート・グラヴュール」と呼ばれるもので、自作のコラージュ作品を写真製版して銅版画としたものとなります。こちらは作者独自の技法であるとのこと。薄い和紙に刷られ、四方耳付きの名刺サイズの用紙を台紙としており、その美しい手仕事にため息をつきたくなる作です。小さく山下氏の署名も直筆で添えられています。
蔵書票は、自身の所有であることを示すために本の奥付や見返しなどに貼ることがその第一の目的ですが、本作は店名が入っているということもあり、本来の蔵書票の役割を超えて、一古書店と一銅版画家とのコラボレーションによる作品と考えていただければ幸いです。もちろん当店でご購入いただいた本に実際に貼っていただくのもよいでしょうし、額装などで飾っていただくのもおすすめです。蔵書票の姿をしたこの小さな紙作品。お持ちになられた方がお好きな方法で所有いただければ当店としても嬉しく思います。
色は黒、灰、茶、緑の4色。
はっきりとした美しさがある黒、けぶるような趣が魅力の灰、くすんだ風合いがあたたかい茶、透明感と清涼感のある緑。お好みはどちらでしょうか。それぞれの色のページからお選びください。
素材:和紙
サイズ:本体(約45mm x 約65mm)、台紙(約55mm x 80mm)
台紙部分は微かな個体差がある場合がございます。